セロトニンって何?
脳内で働く神経伝達物質のひとつで、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。心のバランスを整えてくれるので「幸福物質」や「幸せホルモン」などと呼ばれています。
セロトニンが不足すると脳の機能の低下が見られたり、心のバランスを保つことが難しくなります。 セロトニン不足は、ストレス障害やうつ、睡眠障害などの原因になりうることも知られています。
セロトニンは自律神経を整えてくれます。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経は主に活動している時に働く神経で、副交感神経は寝ている時に働きリラックス効果をもたらします。セロトニンはこの2種類の神経を調節する働きを活性化させることにより心のバランスを整えてくれます。
セロトニンを増やしてくれる食べ物
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から作られるます。
(朝食で摂るのがより効果的)
トリプトファンを多く含む食べ物(100g中)
たたみいわし:870mg
煮干し:490mg
サバ(焼き):350mg
紅鮭(焼き):310mg
秋穫りカツオ(生):300mg
秋刀魚(焼き):290mg
ほっけの開き(焼き):240mg
煎りゴマ:340mg
落花生:280mg
玄米(94mg)、
豆類(木綿豆腐98mg)、
アブラナ科の野菜(キャベツ、大根、カブ、白菜、小松菜、チンゲンサイ、ブロッコリーやカリフラワー、ケール、コールラビなど)にも比較的たくさん含まれます。
バナナ(15mg、含有量はそれほど多くない食材ですが、セロトニンの材料として必要となるトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物のすべてを含んでいるため、効率的にセロトニンをつくることができます)。
など様々な食材に含まれます。
トリプトファンの摂取量の目安
体重1kgあたり1日に2mg程度欲しいところですね。
体重が60kgの方の場合は120mgとなります。
体重60kgの方の場合
煮干しなら25g
サバや紅鮭なら50g
これなら無理なく食べられそうです。その他普段のご飯を玄米入りにしたり、ゴマをテーブルに置いて何かとゴマをお料理にかける様にしても摂取量は増やせます(^^)
摂取したトリプトファンが脳にたどり着くのを容易にするのが糖質です。
糖質を摂取すると血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。
このインスリンは、血液中の(トリプトファン以外の)アミノ酸を筋肉に送り込むため、結果としてトリプトファンの脳へのアクセスを手助けすることになるのです。
実はトリプトファンは脳にたどり着きやすい性質を持っている事が分かります。
(多くの日本人の食生活は糖質・糖分は十分に足りている(過剰なくらい)ので意識してトリプトファンを摂る際に糖分も一緒に摂る必要はないでしょう)
パーキンソン病の患者さんにもお勧め
実はパーキンソン病の患者さんにもトリプトファンを多く含む食べ物はお勧めしています。
パーキンソン病はドーパミンが深く関係していますが、そのドーパミンの調整をセロトニンがしてくれるからです。
またパーキンソン病の症状に自律神経症状が多く現れますが、この自律神経の働きもセロトニンは調整してくれます。