体を外から温める 医師も勧める入浴法
体温をしっかり保つ事で免疫力を維持しましょう。風邪予防やガン予防につながります。
免疫力は、体温が1℃下がると30%低下し、
逆に1℃上がると一時的には最大5倍~6倍アップします。
いかに体温を維持し、体温を下げない事が重要かが分かります。
特に平熱が低めかな?と感じている方は1日1回しっかり体温を上げることをお勧めします。
入浴は、外側から体内に熱を取り込むのに有効な方法です。
理想的な入浴のしかたは、寝る直前に40℃以下のお湯に30分間、浸かるのがベスト。
40℃を超えると交感神経が優位になり、血管が収縮し、お湯による熱の浸透が悪くなってしまいます。
40℃以下だと、最初は「温まりにくい?」と感じますが、時間をかけてじっくり温めることで、副交感神経が優位になります。そうするとリラックス効果が高まり、血管も収縮が弱まり血行も良くなるので、熱の浸透もよくなります。
すると湯冷めしにくくなるります。
また、“ヒートショックプロテイン”という、壊れた細胞の組織を修復してくれるタンパク質があるのですが、その“ヒートショックプロテイン”は、体温+2℃が、いちばん産生効率が高いといわれています。
人間の体温はだいたい35~37℃くらいなので、+2℃だとすると、37~39℃がベスト。
40℃以下ということです。
加えて、がん細胞と闘う免疫細胞のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)も、体温が41℃になると動きが弱まります。
そうした体の免疫機能のことを考えても、お風呂のお湯の温度は、40℃以下がお勧めです。
30分も入れない場合は?
朝でも夜でも自分の生活リズムに合わせて入浴しましょう。
湯船にゆったりリラックス出来る温度で10分(無理なら5分は浸かって欲しいです )程度浸かれば大体体温が1度くらい上がります。(体温が1℃上がれば免疫力は5倍〜6倍上がりますので、風邪をひきやすい方や、体温が35℃代と低目の方は是非お試し下さい)
間違っても熱々を我慢して浸からないで下さいね。
大切なのは毎日続けることです。
全身浴と半身浴の大きな違い
この違いは水圧です。
全身浴のほうが水圧は高く、血管を圧迫します。そのため心臓に出入りする血液の量が増える→血流がよくなるのです。
一方、半身浴は、水圧が下がる分、効果も半減します。心臓に持病などがないかぎり、全身浴のほうがベターでしょう。
もし、全身浴で長時間お湯に浸かっていられないとしたら、それはお風呂の温度が高すぎることが考えられます。
お風呂に入れる炭酸入浴剤は良いの?
炭酸は、皮膚を酸欠状態にすることで血管を拡張させて、血の巡りをよくする効果がありますので良いですね。
お湯や入浴剤などに含まれる有効成分の吸収がよくなり、保湿効果も高まります。
また、好きな香りの入浴剤は、リラックス効果も期待できます。
半身浴のメリットは?
「半身浴」の一番のメリットは、やはり肺や心臓への水圧という負荷が少ないということです。 肺や心臓が弱い方には「半身浴」がオススメです。
内科医 川嶋朗 談・一部抜粋。
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授。