パーキンソン病
ある程度症状が進行すると、歩行も思う様に出来なくなりトイレに行くのも一苦労。という患者さんも少なく無いです。
そんな時に悩ませるのがトイレ。
ご家族からの相談で、「パーキンソン病の母が最近トイレに行くまでにお漏らしする事があったのですが、簡易トイレを寝室に置いた方がいい?」という内容でした。本人もショックだった様です。
「トイレまで歩く事も多少の運動になると思っていたものの、無理にトイレまで行く様にするのも酷なのでは?」と色々考えておられました。
大切なのはご本人の気持ちと、体調の良し悪しに合わせた行動になってきます。
例えば「トイレに行くのは難しいから、今日からトイレは寝室の簡易トイレでしてね」としてしまうと、本人の「少しは歩こう」という気持ちをないがしろにしてしまう事にもなり、「私ははトイレも行けなくなった」と突き付けられた様で精神的にも良くありません。
難しいかも知れませんが、体調の良い時はなるべくトイレに自力で行く様にし、体調の悪い時はすぐ側の簡易トイレを使ってもらう様にするのがベターだということをお話しさせて頂きました。
パーキンソン病の患者さんは1日の中でも変化が大きく、お薬が効いていたり調子が良くて比較的動ける・歩ける時と、逆に調子が悪く食後に食器をテーブルから流し台へ持って行く事もままならない時と、その差が激しいのも特徴です。
その中でも「今、出来ていることはなるべく自分でしてもらう様にして、日常生活の中の運動や歩行の機能低下を極力防ぐ」、それと体調が悪い時の為の備えもして、なるべく安心して生活できる環境にしていく。
頑張れる環境と、安心できる環境、これがとても大切になります。
もちろんご家族の協力がとても大切になりますが病気だからと、簡単に諦めない様にしたいものですね。