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「アトピー性皮膚炎」をもう少し詳しく

アトピー性皮膚炎とは

「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒(そうよう、「かゆみ」の事)のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。
つまり、「かゆみのある湿疹」「良くなったり悪くなったりを繰り返す」そして「アトピー素因を持つ」、という3つがアトピー性皮膚炎の特徴となります。

アトピー素因
(1)本人または家族が、アレルギー性の病気(アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、ぜんそく、結膜炎など)を持っていること、

(2)アレルギーと深い関係がある免疫物質「IgE抗体」を作りやすい体質を持っていることをいいます。

アトピー素因とは「アレルギーを起こしやすい体質」と考えるといいでしょう

主な症状は「アトピーならでは」の痒い(かゆい)湿疹

湿疹や皮膚の状態、できる部位などに特徴があります。

アトピー性皮膚炎の症状としては、「かゆみがある」「特徴的な湿疹と分布」「繰り返す」という3つがあげられます。

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赤みのある湿疹、プツプツと盛り上がりのある湿疹、ジクジクと水分の多い湿疹、ゴツゴツしたしこりのような湿疹がよくみられ、掻くことによって皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたができたりします。

また、湿疹ができやすい部位にも特徴があり、個人差がありますが、比較的左右対称にできやすく、顔、耳や首回り、わきの下やひじの内・外側、ももの付け根、ひざの表・裏側などに多くみられます。

年齢によって症状が変化する

アトピー性皮膚炎の多くは乳幼児期に発症し、成長とともに治っていく傾向があります。

ただし、大人になるまで続く事や、一度治った人が再発する事もあり、再発した場合は治りにくいといわれています。

また、年齢に応じて症状の傾向が変化し、乳児期は頭や顔に多く、幼児期にかけてだんだんと体や下肢に広がります。特に関節部分にできやすく、皮膚の乾燥が目立つようになります。

思春期~青年期になると、顔や胸、背中、肘など上半身に湿疹ができやすくなります。

乳児で2ヶ月以上、幼児~成人は6ヶ月以上症状が続くと、病院では大抵アトピー性皮膚炎と診断されます。

原因

体質的な要因に環境的な要因が重なって起こりますが、原因が一つとは限らない「多因子性」の病気です。

アトピー性皮膚炎の原因には、「体質的な要因」と、アレルギー症状を起こす物質や皮膚への外部刺激など「環境的な要因」があります。

体質的な要因と環境的な要因が重なった時に、皮膚炎の症状があらわれると考えられます。

ただし、アトピー性皮膚炎の増悪原因や症状は人によってさ様々で、例えば同じ化粧品でも、症状が起こる人と起こらない人がいますし、あるときは大丈夫でも、あるときは症状が出るという事もあります。また、そのときの体調や精神的な状態によっても異なることがあります。

これはアトピー性皮膚炎が、一つだけでなくいくつもの要因が重なって影響する「多因子性」の病気である為です。

病院での対処法、治療

色々な薬を用いられますが、どの薬をどの程度使うかについては、症状や部位などによって異なります。

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最初は1日数回使い、症状が改善するにつれ、1日おき、3日おきなどと少しずつ量を減らし(間欠塗布)、最後には薬ではなく保湿剤に移行させるという進め方が基本です。

外用薬と一緒に過剰なアレルギー反応を抑制する抗ヒスタミン剤を処方されることもあるでしょう。医師の診断による、症状のレベルにあわせた薬を使用した治療は、アトピー性皮膚炎にとって負のスパイラルの原因にもなる「掻く」行為を軽減させるため、不可欠とされています。

大雑把にいうと上記が西洋医学の見解の様です。

 自分で治療&鍼灸治療

手っ取り早く痒みをコントロールするにはお薬は有効・・・これは対処療法になります。

しかし、特に成人においてのアトピーをしっかりと治すには「自分自身の努力」必要になってきます。

「自分で治せるなら苦労はしない!」とお思いの方は多いと思います。しかし「自分で治せる」のです。ただ、パッと治せる訳ではなので時間はかかります。でもまずは出来る事から始める、すると少しずつ良くなってきます。

アトピーは免疫の異常ですから免疫に関係する所の正常化を図ります。実は免疫の70%程が胃腸に集中しています。ですから胃腸の調子も整えて免疫が正常に働く様にしていきます。

〈 食 事 〉
食事を見直す事で胃腸の働きは健全になっていきます。すると胃腸が担う免疫の働きも健全になり過剰な免疫は抑制され、少しずつ症状はおさまってきます。

避けたいのは
①肉類
②甘い物(特に白砂糖を多く使う物、炭酸飲料、ケーキ、アイスクリームなど)
③添加物を大量に含んだ加工食品
これらは少し控えましょう。

他、簡単に自分で出来る事と言えば、食事の時に「兎に角良く噛む、一口につき30回~50回噛む」。噛むこと自体は簡単ですね、まずは普段よりも5回多く噛んでみましょう。良く噛んで食べ物を細かくし、消化吸収を助けるのは正に胃腸を助ける事になります。噛む事で唾液もよく出ますが、唾液の消化酵素も胃腸を助けてくれます。
よく噛む事で食事量を「腹八分目」で済ます事にもつながります。そうなると胃腸には余力が生まれますから不健康な自らの働きを自分で修復しようと努めてくれます。
→不健康な免疫機能の正常化に近づいていきます。

お腹いっぱい食べると自ずとその分胃腸への負担は増えてしまいます。「いつもお腹いっぱい食べる」という事は避けたいですね。余力が無くなり免疫機能の修復も難しくなります。

「ん?」と思いますがその通り、遠回りをします。でも実はその方が近道なのです。

明けても暮れても「かゆみ止め」、「保湿」、「アレルゲンの除去」、の場合、そのサイクルから抜け出せない。いっぺんに酷くならないが、「どうも段々 (年々)悪くなっている気がする」そういうケースは沢山あります。「治している訳ではない?」と思う様になる方も少なくありません。

一緒に治しましょう。

鍼灸では何をするの?

鍼灸では五臓六腑を診ていき、それぞれの調子を整え、治癒力を高める事で悪くなった体を元の健康な状態へと導きます。ですから胃腸に関わる穴(ツボ)も沢山あります。

鍼灸では同じ胃腸の調子を整えるにも患者様の体質によって使う穴(ツボ)を変えていきます。冷え性の方、暑がりの方、すぐにイライラして頭に血が昇りやすい方、それぞれの患者さんに最適な穴(ツボ)を用いて治療をしていきます。

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もちろん痒みを抑える鍼灸もありますので平行してそれらもしていきます。

免疫関係にはお灸をよく使います、治療内容が決まれば「患者さん自身にも自分の手足にお灸をしてもらう」事も出来ます。その際はぜひご自身でもお灸をして下さい、使うのは簡単な千年灸の様な物をで大丈夫です。(度々往診に伺うよりもはるかに費用を抑えられます)

 

〈治療頻度の目安〉

●症状や痛みなどが酷く、とても辛い状態・・・週に1回~3回程。

●辛いピークがひとまず過ぎた状態・・・週に1回程。

●随分良くなったもののまだ無理をすると悪化してしまう状態・・・2週間に1回程。

●楽になってきた、今の状態を維持したい・・・月に1回程。
(良くなったものの「気が付けば又以前の様な症状が・・・」という事が無い様に定期的な治療の継続をお勧めします。特にアトピーは良くなったり悪化したりを繰り返すものですから。健康な状態を維持する事が何よりの予防になります)

個人差がありますので目安としてお考え頂ければと思います。

 

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